case study

【EdTech導入事例vol.5】
大阪市立新巽中学校様 導入事例

  • 【学校】大阪市立新巽中学校(公立)
  • 【easel使用学年】中学1年生
  • 【どの時間でeaselを活用したか】総合的な学習の時間

“つくりたい”を起点にした学び

easelで1人1作品完成させることを目標に総合的な学習の時間で10時間程度かけて学びました。

アルファベットもよくわからない子どもたちがいる中で当初導入に不安はありました。ただ、実際に導入してみて、もちろん全員がすらすらプログラムを書けるというわけにはいかなかったものの、「こんなものをつくりたいんだけどどうればいいですか?」など、生徒の方から声が上がったり、通常の授業ではない反応も見られました。

実際に仕事としてプログラミングに携わる方も、こんなものがつくりたい、そのためにはどうすればいいのか、ネットや本で学んだり人に聞いたりするのではないかと思います。なので、こうした“つくりたい”を起点にした学びができた生徒もいたというのは今回の大きな収穫だと思います。

うまくいかないから楽しい

授業に際しては最初に簡単なチートシート(プログラミングでよく使われるコードの一覧表)を作成。また、形や色に関するサンプルを共有。チートシートも参照しながら、サンプルのソースをコピー・ペーストして、その中の数字を触ってみてどんなふうに変化するか見てみようといったことを行いました。その後、上級、中級、初級A、初級Bの4つにクラス分けし、それぞれのレベルに応じた授業を5時間程度行いました。

生徒たちの声としては、難しい、うまく行かないというものも多かったですが、楽しそうに“ミスってる”子もいて、うまく行かないながらも試行錯誤していくこと、逆にそれを乗り越えたときの達成感も味わえたのではないでしょうか。それがまた楽しくてどんどん自分で学んでいく。興味を持てる生徒はとても楽しそうに、自分から調べたり、やりたいことをこちらに伝えたりできていたと思います。

column|授業の流れ

  • 授業は以下のような流れで組み立て合計10時間程度利用しました。
  • ①導入:
  • 簡単なチートシートを作成して配布。点と円と長方形でできた静止画Aのコードを共有し、引数を変更して見た目がどのように変わるか、目標とする静止画Bに近づけることを目指した。
  • ②クラス分け:
  • 最初の導入からコードを共有してさわってみる時間・「まなぶ」をさわってみる時間を合計4時間ほど取った後、アンケートを実施し上級、中級、初級A、初級Bの4つにクラス分け。
  • ③クラスごとに5時間程度学ぶ:
  • ・上級:最初に、動きをつけたりする上で必要になる変数・繰り返し・条件分岐の基本を解説。「まなぶ」「まねぶ」と教師からの解説、生徒からのリクエストに応える形でコード例を共有するように進めた。
  • ・中級:共有したコードを教師と一緒に触りながら、「まねぶ」も使って自分の作品を作成した。
  • ・初級:「まねぶ」の作品になにか自分の要素を加える形でさわってみるように進めた。
  • ④学内発表会

プログラミング的思考が感覚的に伝わる

プログラミングが苦手な生徒にも今回の取り組みを通じて、プログラミングとはどのようなものかは最低限伝わったと思います。例えばブロックなどパーツを積み上げていって学ぶような教材だと、プログラミング=ロジカルに考えることが何となくわかるとは思いますが、自分で実際にソースを書くわけではありません。一方でeaselでは作品とその作品がどんなふうに書かれているか、ソースコードが記載されており、それをその場で直接触って変化を見ていくことができます。

最初は魔法の言葉で書かれているように見えるかもしれませんが、ちゃんと見ていくと1行に1命令で順番にこうしてくださいというのが並んでいるということがわかってくる。それはロジカルに考えないと書けないものであり、こうした経験を通じてプログラミング的思考が感覚的に身についていくのではないかと思います。

column|監修者や他校の先生方とのつながり

今回、easel meetやeasel schoolで監修者の脇田先生のお話をお聞きできたのも貴重な経験でした。また、meetの2回目で行われた北海道の先生の前年度の取り組み紹介なども参考になりました。今回本校では生徒70名に対して先生6名で授業を行いましたが、先生もプログラミングに通じている人は少なく、私自身もかなり勉強しました。10時間という圧縮した時間の中で作品制作まで行ったため、こういった形になったと思いますが、逆にeaselをすでに導入したことがある他校の先生にゲスト講師になっていただくといった使い方もできるかなと思っています。

作品展示・プレゼンで自信を得る

完成した作品は学内発表会で展示しました。中でもよくできた生徒はプレゼンテーションを行いました。

選ばれた生徒の中にはどんなことを話せばいいかわからないという子もいたのですが、なんで選ばれたんだと思う?と投げかけることで、自分は何が良かったのか、そのためにどんなところを頑張ったのか、生徒自身で自己評価したり、考えを言語化することができたと思います。また、そうした経験が自信にもつながったと思います。

学期の振り返りで行ったアンケートでは、easelを使った授業が楽しかったと答えた生徒もけっこういて、導入当初は不安だったものの、少なくない生徒がプログラミングと肩肘はらずに楽しめたのかなと思います。