2022年4月4日 月曜日

【EdTech導入事例vol.6】国立大学法人 北海道教育大学 附属釧路義務教育学校 後期課程様 導入事例

EdTechを通じてeaselを導入いただいた国立大学法人 北海道教育大学 附属釧路義務教育学校 後期課程の更科先生にINERTIAの山根がお話をお伺いしました。

  • S = 更科先生
  • Y = INERTIA山根

Y:今年度も『easel(イーゼル)』を使用した授業内容に対する率直な印象をお聞かせください。

S:コロナの影響下、今年は中学2年生、3年生に向けての『easel』2年目の使用でした。1年生に対してはハイブリッド授業実施しました。美術、家庭科10時間、技術6時間、音楽を含むプロジェクト自体で、合計18時間、純粋に『easel』を扱った授業は16時間でした。2年生12時間、3年生16時間、『easel』での授業を実施しました。

Y:16時間のプロジェクトの流れを教えていただけますか?

S:テンプレートを生徒に渡し、基礎習得に6時間、残り10時間はそれぞれ設定した課題解決のために『easel』を用いてプログラミングを実行しました。

Y:今年度設定された、2年生は「0〜1」、3年生は「Cross Mind」がテーマでありましたが、それらの目指す所をお聞かせ下さい。

S:プログラミングの行為そのもの、自分の表現が相手の心を動かせたらより良い、というゴールで「0〜1」を設定しました。相手に何を伝えることができるか?視る人の立場に立ってプログラミングを学ぶという視点で「Cross Mind」という提案型の授業を行いました。2年生と3年生はほぼ同じプログラムを実行しました。自由なテーマを与えた2年生の作品は広く解釈できるものであったのに対し、3年生には「コロナ禍における社会の状況・今を生きる人々に何を伝えられるのか」というテーマを設定したので、より具体性のある表現がなされました。

Y :『easel』の魅力についてどう捉えていますか。

S:自己解決しながら進める学習プロセスを組みやすい。組み合わせとプロセスを重視するプログラミングの学習は、非常に珍しいと思います。生徒たちの表現がたいへん美しいので、それに魅力を感じています。

Y:自治体から降りてきた流れでプログラミングの授業を行うことになった、というような経緯の学校も中にはあると思います。更科先生は、導入初期における不安をどのように解決して行きましたか?またそれについてのご提案などがあればお聞かせ下さい。

S:『easel』アプリケーションはFM釧路のアナウンサーからの紹介で知り、まず初めにカッコイイと思いました。困難は想定されましたが、これは学ばねばならない分野だと思い、使用を決めました。いかにして生徒に対し教えたら良いのか、迷いや不安はあると思うが、事例があれば非常に扱いやすいはず。例えば、YouTubeなど動画を見ながら使い方について学んでいくような形で。教師用の指導要綱のような内容だと堅すぎなので、イラストを用いた軽い感じのマニュアルがあれば充分かもしれません。

Y:『easel』良い点、改良するべき点はどんなところだと思いますか。

S:昨年度、入門編を子ども達に一回ずつ教えたら、学習の様子に差がついてしまいました。今年度は、複数の課題を生徒に出し、複数のプログラムを同時に生徒に教え、生徒たちがお互いに助け合って学ぶというポジティブな姿勢が観察できたのが、非常に良い点でした。
逆に困った点は、一人一人のゴールの設定に格差がありすぎて、学びの早い子どもたちに対応できなかったことが困った点でした。教員も、もっと勉強したいと思っています。そういった意味では、最低限のプログラミングを学ぶ必要性があると公立学校の先生たちは感じているのではないでしょうか。

Y :オンライン化が進み、授業スタイルや求められる学びも日々変化していますね。

S:教員の間に、新しいスタイルの学習を導入しなくてはならないという自覚はあるのですが、どこから手をつけて良いのかが解らない。そこで可能な範囲の知識で扱えるのが『easel』の強みであると言えます。色の学習は理科の分野と共通する点があるので、生徒の学びを促進させるために、イーゼルでの学習は有効であり、学習にあたって様々な扱い方ができる点が『easel』の長所だと思います。広く普及しているビジュアルプログラミングだけでは物足りなくなってしまうのは時間の問題のように感じます。

Y:ズバリ成果は?

S:子どもたちがお互いに教え合っている、助け合っているのが非常に良い点でした。子どもたちは、答えを教えるのではなく、お互いにヒントを教えあっていました。昨年は成果が顕著に見えづらかった部分について、今年は『easel』学習の成果が明らかに見られたのは、生徒たちの力や可能性を信じて、生徒自ら学んでいく環境を『easel』を使って整えられたからではないかと思います。

Y:生徒間の対話はオンラインで進んでいくと、その輪は海外にまで広がる可能性がある?

S:その可能性は充分にありますね。

Y:生徒たちが作品を制作する際に、課題を設定したのは、生徒のやる気を起こさせるためだったのでしょうか?

S:完成した作品になんとなく相応しい言葉をあてがうよりは、美術の学習指導要領で授業を成立させるために、最低限の課題を設定することにしました。挫けそうな生徒に対し、自分たちの設定しているゴールに少しでも近づけるという考え方が、プログラミングの授業では大切なのではないか。『easel』の導入により、幅を持った発想のインプットが可能になります。

Y:従来の学校教育における、暗記や点数の競い合いより、より幅を持った、自分の目標に少しでも近づくという姿勢がこれからの教育には必要なのかも知れませんね。

S:そのとおりです。

Y:事前準備、フォローについて、どのような課題が最適なのかお聞かせください。

S:どのようなパッケージで授業を進めるべきなのか私も苦心しました。テンプレートを使いながら半透明の円が動く画像を作ったが、それが最適なのかは確信が持てません。

Y:自由課題解決型の授業において、準備はどのくらいされたのでしょうか?

S:生徒たち自身の判断に任せていました。授業の途中で、ある生徒の作品を紹介し、一時授業を中断し、問題の共有をすると、その後にその生徒のところに皆が群がる、このような場面を随所に作るように心がけていました。

Y:①最終ゴール設定、②自分の課題設定、③情報の共有、これらが『easel』の有効活用方法。

S:EdTechツール、『easel』の活用よって、生徒たちは他者とつながれるようになりました。また学校同士の横の繋がり、コミュニティーも強化されました。このような草の根的つながりの方が情報は伝わりやすいように思います。

Y:要望などもしあればお聞かせください。

S:北海道、東北地方に『easel』仲間がいるので、来年度も活用いきたいです!

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